の上に寝かされ、その両腕を後ろ手に縛られていたからだ。
きっと気絶させられた後、城の地下牢に閉じ込められたのだろうと、おおよそは察することが出来た。
それはきっと、自分があの隠し部屋の娘を見てしまったから……。
「 ! 」
そう思うや否や、蘭丸は夢から醒めたようにカッと双眼を見開いた。
『 そうだ…!あの娘! 』https://www.easycorp.com.hk/blog/complete-guide-company-incorporation-in-hong-kong/
『 あの手足のない娘。あの者に素性を訊こうとしていた時に、ふいに背後から首を突かれて、そのまま意識を… 』
蘭丸の記憶が、段々と鮮明になりつつあった時
ギィィィィ…!!
上の方から扉を開く音が響き、地下牢へ続く石段を降りて来る、複数の足音が聞こえてきた。
「──あやつは?」
「──最奥の牢にございます」
足音が近付いて来ると共に、色の灯りが、蘭丸の居る牢の前へと迫ってくる。
やがて、を手にした牢番らしき男たちが姿を見せると、その間から、
険しい表情をした信長が現れて、牢の前へと静かに歩み寄って来た。
「……ぅ…上様…」
「何じゃ。気が付いておったのか」
「……」
「そちたちはもう良い。下がっておれ」
「はい、上様」
「この事、決して他言致さぬよう」
牢番らは深々と一礼すると、松明を側の柱の金具に挿し入れて、その場から去っていった。
牢の中の蘭丸は、首をもたげ、えたような目で信長を見つめている。
仔犬のように震える蘭丸に、信長はスッと鋭利な眼差しを向けると
「……まさかそなたが、この儂のいて、あの仏間へ入るとはのう」
失望めいた口調で呟いた。
「何故に左様な真似を致した? 儂の信頼を笠に着ての所業か?」
その問いかけに、蘭丸は必死の形相で、首を左右に振った。
「違いまする! …上様のご命令に背いて仏間に入りましたことは、詫びても詫びても許されぬ、の罪にございます。
されど天主から──あの娘御を見たのでございます。上様と御台様に面差しがそっくりな、あの娘御を」
「……」
「初めは曲者と思い、それを見過ごすことこそ不忠義な行いと考え、上様のご命令に背いて仏間へ入りました。
なれど、仏間の奥の隠し部屋にいたのは、曲者ではなく、見目麗しき姫君にございました。その姫君には、片方の手足がなく…」
「もう良い──!」
信長の怒声が、蘭丸の言葉を遮った。
「左様な話、二度と致すでない」
「……」
「蘭丸。そなたは、見てはならぬものを見たのじゃ」
腹の底をるような、重々しい語気で信長は告げた。
「故に、そなたをこのまま生かしておく訳には参らぬ」
「…上様…」
「明日、打ち首を申し付ける故、よう心しておけ」
信長からの死刑宣告に、蘭丸は一瞬 大きく目を見張った。
が、やおら双眼を伏せて、深く息を呑み込むと、れるように重々しく頷いた。
「……死罪は、既に覚悟致しておりました故、甘んじてお受けする所存にございます」
「左様か」
「…されど、これは某一人の罪。どうか、坊丸、力丸ら、弟たちには──」
「わかっておる。あの者らまでめはせぬ故、安堵致せ」
「…有り難う…存じます」
蘭丸が小さく頭を垂れると、信長は目で頷いた後
「さらばじゃ。蘭丸」
と素っ気なく告げ、を返した。
「今少しお待ち下さいませ!!」
すると、去ろうとする信長を、蘭丸は慌てて引き留めた。
「…どうか、最後に…最後にお教え下さいませ! あの者は…、あの姫君はいったいどなたなのです!?」