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として生きているとはいえ、本質は。私のこのいが、彼女に恥をかかせてしまったのだ。ただでさえ好いてもいない男へ肌を見せるなど、嫌だろうに。
何と言葉を尽くせば、この誤解が解けるのだろうかと沖田は眉根を寄せ、唇を真一文字に引き結んだ。
「山崎さんに、鏡を借りて参ります」
桜司郎は作ったような笑みを浮かべると、腰を浮かせる。無論、このような格好で山崎に会うことは出来ない。事前避孕藥副作用有哪些?避孕成功率高嗎?怎麼吃才能安全避孕? だが無性に涙が出そうになり、この場から離れたかった。
言葉が上手くない自覚のある沖田は、拳を固めると顔を上げる。伊東のように弁が立たなくても、土方のように女子の扱いが上手くなくても、近藤のように暖かい言葉が浮かばなくても。この胸の思いが伝われば良いと思った。
「──あまりに綺麗で、」
沖田は思わず緊張で声が詰まる。だが、構わずに続けた。
「綺麗だから、私なぞが、触れて良いのか迷ってしまったんです」
その投げ掛けられた言葉に、桜司郎は足を止める。この傷を見て綺麗と言われるとは思っていなかったためか、それが沖田だからかは分からないが、鼓動が妙な音を立てた。
「綺麗だなんて……。そんな慰めなんて、」
「慰めではありません。本当にそう思いました。……それに、そのような格好で山崎君のところへ行くつもりですか」
沖田は立ち上がると、桜司郎の腕をそっと引く。
「もう迷いませんから……。私に手当をさせて下さい」
迷い子のような声を出されれば、桜司郎は頷くしか無かった。導かれるがままに沖田の前に座る。そして再度襦袢を肌蹴けた。
「……お願い、します」
沖田は小壷から軟膏を指で掬うと、肩先から順になぞる。骨ばった指先の感覚にぞわりと身体を震わせると、桜司郎は堪えるように拳を腿の上で握った。
痛みよりもくすぐったさと羞恥心でどうにかなりそうだった。
そんな桜司郎の思いも知らず、沖田は真剣な眼差しで塗り込めていく。そしてポツリと呟いた。
「近藤先生を……御守りして下さって、有難うございました」
それを聞いた桜司郎は目を細めて口角を上げる。
「いえ。沖田先生と約束しましたから」 その言葉を聞いた沖田は淡い笑みを浮かべた。
──この人は、どうしてこのようにも強く生きられるのだろう。
桜司郎が新撰組へ転がり込んで来てから、沖田は誰よりもその近くにいた。
恋仲の死に殉じようとした時は弱いただのだと思っていた。しかし、として生きると決めてからの成長は目を見張るものがある。山南の死、江戸行き、松原の死、そして此度の訊問使同行と様々な経験をしたとはいえ、何が彼女を奮い立たせるのだろうか。
「有難う、ございます。私はもう貴女へ足を向けて寝られませんよ。京へ戻ったら、何か好きな御礼をしますから。考えておいて下さい。……さ、終わりです」
あらかた塗り終わると、沖田はそこへ息を吹き掛ける。
「ひゃ……!」
早く乾燥させようと思ったのだろうが、不意のそれに桜司郎はゾクリと背を震わせ、に近い声を上げてしまった。思わず両手で口を塞ぐ。
それを聞いた沖田は一瞬ポカンとしていたが、みるみる顔を赤らめた。
「す、すみません!早く乾くかなと思って、つい!」
「だ、大丈夫です。その、有難うございました、こんなことまでさせてしまって。……その、晒しを巻くのであちらを向いて貰って良いですか」
その言葉に、沖田は凄まじい速さで後ろを向く。桜司郎の声が何度も頭の中で再生され、頭を抱えたい気持ちになりながらも、平静を保つことへ全力を尽くした。その姿は、さしずめ修行僧のようである。